作ったものを中心に

ジャニーズにハマってしまったデザイナーの私が作った非公式グッズを中心に

浮気心を告げる近況報告うちわ

キスマイの今年のアルバム『I SCREAM』が発売されてそれなりの時が経ち、ツアーの季節がやってきた。

実はアルバム発売当初に一回聴いて以来、特典のソロ曲をたまーに聞く程度で、全然聴き込んでいない。

こんなんじゃダメだと思い直してコンサート1週間前から真面目に聴き始めた。

 

思えばこの一年、キスマイへの思いは楽曲の好みの問題とか売り出され方とかそんなものでだいぶ弱まってしまっていた。

今や一番楽しみに見ているジャニーズのテレビ番組は変ラボだったりもする。

ジャニーズ以外の音楽に立ち返ってみたり、元々好きなアニメにどっぷりハマってみたり、ゲームをやってみたりとそこそこに幅を持っていろんな事を楽しんでいた。

今年のコンサートは一公演しか入らないとはっきり決めたのも情熱の低下の表れだと思う。

でも、今年は同僚がスタンド最前列バクステ側という神席を引き当てたので個性派うちわ職人としては何が何でも一本作らなければと思っていた。

それに、つくるなら新しい事に挑戦出来るようなテーマが必要なんだよな、などとうだうだしていた所、同僚が「みっくんておそ松さんに似てますよねー!うちわおそ松さんで作らないかなー?って期待してます」と言ってきた。

 

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それでひらめいて作ったのが上のおそ松さん風北山くん、すなわちキタミツさんうちわ。

PCで絵を書くのに使われることの多いペンタブレットが私はとても苦手なのでiPadminiとスタイラスペンで挑戦してみた。

お絵描きアプリはprocrcateを使ってみた。

Photoshopの様に下書き、輪郭、色とかレイヤー分けして作業出来るのでとても便利。

しかし、このアプリは結構高い。この程度のお絵描きなら無料のアプリで全く問題ない。

私は以前手に入れていたので使った。

 

使ったスタイラスペンはWacomのちょっと良いスタイラスペン

intuos creative stylus2

 Bluetoothで接続出来て、筆圧感知したり手元で戻ったりやり直したり出来る。

重ねて言うようだがおそ松さんの画程度なら別にこんな良いスタイラスペンは無くても良いとは思うが、今回は偶然持っていたのでこれを使った。

 

北山くんのチャームポイントである凛々しい眉毛を重視するならカラ松っぽくすべきだが私の推し松であるおそ松と担当である北山くんの共通点である赤色を強く打ち出すためにベースはおそ松にしている。 あとは肌の色。おそ松はもっと白ピンクっぽい色をしているのだが、北山くんはアウトドア派なのでもうちょい元気な色に。 でも色白の時の方が個人的には好みなのでトーン明るくして黄色っぽくしてみた。


おそ松さんとフリースタイルダンジョンに強烈にハマって、おそ松画でフリースタイルダンジョンの漫画を描くというヲタ活をしていた為、私の似顔絵を赤塚不二夫タッチで描くスキルが上がっている所だったので時間の節約にもなった。


下書きを同僚に見せたらおそ松さんの画像を貼り付けたうちわにしたら?という意味だったのに、一から似顔絵描いてるとはwwwと驚き笑われた。


因みに頭の上の方の色が暗くなってるのはペットボトルの結露が付いてしまった為だ。

後悔しきり。


裏側はこんな調子。f:id:sasakikaaa:20160809191121j:plain

 フォントは六つ子フォントを使ってみた。

フォント作れる人ってすごくかっこいいと思う。私もいつかフォントを自作できるようになりたい。 


コンサート、アンコールでトロッコに乗ってやって来た北山くんはキタミツとおそ松の間で揺れる私のヲタ心を知ってか知らずか(絶対知らない)私のうちわを見て、その後私を見てうんうんと頷き、ニコリと笑った。


衣装深読み②

コンサートツアーKIS-MY-WORLDの中盤、大喜利コーナーと名曲「ドキドキでYEEEAAAHHH!!」を歌い踊った際に着用されていた通称「フェアリー衣装」について予告通り今回は深読みする。

 

Twitterをやっているとどうしてもコンサートのネタバレが防げない。

私がフェアリー衣装を初めて目にしたのもやはりTwitter上のTLだった。

ジャニーズアイドルの衣装の良さは布の量論者である私はこういったチープな衣装に対しては正直興味が薄いのでネタバレを流す彼女達のテンションと真逆の位置に自分の気持ちは在った。

まずメンバーカラー衣装が好きじゃないし、アラサーが半数のグループなのにこんな幼い格好って…何よりバックルの形や工業製品丸出しの銀色が無骨過ぎて素材と合ってない。せめてバックルの色をメンバーカラーか黒に早く塗ってくれぇ…と。

しかしながら、実際に生でフェアリー衣装を着用したキスマイを見て考えは大きく変わる事になった。その要因は2つある。

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深くもなんともないけれど、まず1つは北山くんが最高に可愛かった事。あの可愛さを前にしたら何も逆らえなかった。

フェアリー衣装はワンサイズなのだろうか、かなり遊びのあるカットで作られている。それを白いベルトを締める事でウエストを作っている。襟ぐりもゆるゆる、アームホールもガバガバだ。

しかもウールなのかフェルトのような質感の素材を使っているので北山くん(もといキスマイメンバー達)は手作りの服を着せられている人形のようだった。

それだったらバックルが妙に無骨なのも納得出来る。

私が巨人だったら可愛いお人形みっけたー色違い7種類もある!全部欲しいやーっと2人ずつポケットに入れ、3人を両手で握って家まで持ち帰っただろう。

敢えての手作りクオリティ…アイドルの抜け感的なもの見せられた気がした。

東京ドーム公演が終わり追加公演が発表されてからナゴヤドームまでの間には1ヶ月程度あったからなのか、名古屋ではフェアリー衣装に身をつつんだ女の子達が沢山いた。敢えての落としたクオリティのお陰でコスプレへのハードルが下がったのだろう。

今時漫画やアニメもキャラデザの際はコスプレ衣装の事を考えたりするらしいし、アイドルにもコスプレしやすい衣装があってもいいよな、と思った。

 

2つ目は「ドキドキでYEEEAAAHHH!!」との相性の良さだ。

この曲は合いの手が入ったりドキドキドキドキドキと同じ言葉を繰り返したりする事でお祭りのような賑やかさを出しつつ、明る過ぎてその終わりを想像してしまう様な、ちょっぴり切ない気分になる曲だ。

この曲を丸いメインステージで円を囲んで踊る姿は盆踊り風だったが、くるくると回るステージとその上でクレヨンみたいな色のフェアリー衣装を着て踊るメンバー達がゼンマイ仕掛けのオモチャの様で余りにも愛おしく、もうすぐゼンマイが切れてしまう、嫌だ、もうちょっとだけ見ていたいよと強請りたくなるような名残惜しい気持ちでいっぱいになってしまった。

それが「ドキドキでYEEEAAAHHH!!」がもたらす切ない感情をさらに増幅させ、更にはコンサートがもう半分終わってしまった。この楽しい時間もあと少しなんだ…というリアルな切なさに直結してくる。

衣装とセットリストと舞台演出と楽曲がバチっとハマった瞬間だった。

私が巨人だったらガラスの玉でメンステごと全部封じ込めていつまでもこの胸で輝かせるのに。*1

 

今回のは前回の反省を活かして全員分衣装を描いた。*2

各メンバーについて思った事など温度差はあるがちょろちょろ汚い字で書いているので読んでいただけたら嬉しい。

 

 

 

*1:SNOW DOMEの約束より

*2:前回は面倒になって全員分衣装を描くのを諦めたので。ヤル気と技術が備わったらそのうち追記したいと思います。

衣装深読み①

私はデザイナーだけれどファッションのデザイナーではないので人間を描くのは苦手だ。

 

けれどコンサート衣装深読み記事を書くにあたって、実際に現場に行っていない方々にもすーっと読んで貰える記事にしたいなという気持ちから絵は不可欠だと腹を括ってコピックを買い、地道に手で絵を描いてみた。

記憶と資料をかけあわせながら描いてるので違うところがあったら申し訳ない。

ファッションイラストでおなじみのおおたうにさん風にしてみた。↓

 

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1回目はコンサートツアーkis-my-worldの登場衣装深読み。

藤ヶ谷くんの衣装を全身描いたら疲れてしまったので他は気になったポイントのみを書き出した。

鏡の中にある異世界キスマイワールドへの導入で現れるキスマイたちのメンバーカラー衣装。

メンバーカラーである事、ライダースを基調にしたハードな印象のアウター、もやもやしたテキスタイルの3点が着目ポイントだろう。

 

個人的にはキスマイは20代半ばのメンバーが多いのでメンバーカラーを扱うならば、もうちょっと落ち着いた色味のものにして欲しかったな、と思ったがテーマがファンタジーであるが故に敢えて強い色を使っているのならば、それはアリなのかもしれない。

 

テーマはファンタジーなのにアウターはライダースだし生地も厚めでガッチリしている。

ファンタジーに描きがちな柔らかな印象がアウターにはゼロだ。

ファンタジーと聞くと子供っぽいイメージがあるけれど、キスマイのファンタジーは幼かったり甘いだけじゃないぞという比喩だったら…!と深読み。

 

このもやもやとしたテキスタイル。ここにファンタジーが詰まっているように感じた。

鏡の中に入った時の景色なのではないかな、と私は深読みする。

鏡の中の景色は万華鏡みたいな世界なのか、4次元ポケットの中の様な世界なのか。

 

メンバーによって違う衣装のシルエットなどについては絵にいろいろと書き添えているので読んでみて欲しい。

 

次回はヲタクに大人気だったフェアリー衣装について。

コピックにはまだ慣れていない。折角買ったので少しずつでも上達したい。

 

幻のファンレター

衣装深読みの記事が全く進まないので、小話を挟んで見ようかと思った次第だ。

 

昨年のDREAM BOYS公演期間中、玉森担の友人Aと公演についてなど色々と語らっていた時にAが「出待ちをして手紙を渡してみたいが、一人では不安だ」と打ち明けてきた。

そもそもジャニーズの世界にも出待ちというものがあるという事をその頃は知らず(アンオフィシャルには有ると思っていたが)DREAMBOYSは唯一公認のものであると教えられ、とても驚いた。

なるほど、一人が不安なら私が(興味本位だけど)一緒に行こうじゃないか!とミーハー心丸出しで出待ち付き添いに立候補したのだった。

 

この舞台の後の出待ちというものは舞台を見た人がお手紙を渡す為に存在するらしい。

その為、お手紙を持って来ない人間は出待ちの列を整備するファンの代表の様な女性達に排除されてしまうという。

また、演者によって並ぶ場所が異なる。

よって、Aの出待ち付き添いをする為には玉森くんに手紙書かなくてはならないという事になる。

 

私は他担である玉森くんに言いたい事というもの自体がピンと来ないし、自担が居ないジャニーズ舞台であの特有のカオスさに目を瞑ることも出来ないので舞台の感想も素敵に書くことが難しい。

なので、とにかくメッセージ性の薄い内容のものをしたためることにした。

 

ファンレターというものを書いた事が無いので、Aにヲタク達は見た目的にはどんなファンレターを用意してくるのかを聞いてみた。

A自身も気になったようで、彼女の友人である亀梨担のBに出待ちの流れと一緒にファンレターについても確認を取ってくれた。

すると、DREAMBOYSのファンレターは少し普通のものとは異なるものであるとの事だった。

 

A5サイズの便箋や色紙に雑誌の切り抜きを貼り、額のようにラインストーンや造花を飾り付けたものを封を開けなくとも読める様に透明のビニール袋に入れ、楽屋でそのまま立てかけて飾れる様にしたものが好まれている。この装飾がファンの間で競争の様に激化しているとAはBから聞いたとのこと。

Aは装飾をとにかく頑張らないと!舞台を見に行く日に間に合わないよ!!と張り切っている様子だった。

こんな手作り合戦が私の知らない所に発生していただなんて!いやがおうにも腕がなる!

私も俄然やる気になってファンレター作りに取り掛かった。

 

玉森くんに関する知識が無さすぎるのでキラキラした腕時計やブランド物の私服をイメージしてギラギラかつ高級感(手が掛かっている様)を感じ取れるファンレターをコンセプトに制作をした。

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まずはセオリー通りに切り抜きを貼った。

高級感には細部の美しさが必須。スプレーのりでピターっと綺麗に。

右端に写っているのはこの頃ハマっていた自作の素材だ(色々な薄っぺらい素材をパンチで打ち抜いてスパンコール状にしたもの)

これの透明なものをひたすらひたすら全面に張り付けて表面のテクスチャーをタイルのようにしてみた。

 

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メッセージは"I've got a crush on you!"あなたに首ったけ!あなたのことが好きでぶっ壊れそうよ!と言った意味合いの言葉。

我ながらとても薄っぺらい。

 

端にはゴールドのブレードをあしらってみた。

ブレードとは生地屋さんに行くとリボンや紐類と一緒に並んでる派手派手の紐みたいな奴のことだ。

スパンコールがついていたり金モールで装飾されていたりして、コンサート衣装の襟元や袖口を飾っているあれだ。

私はあれが大好きなのでしょっちゅう好みの物を見つけては1mずつ買っている。

因みにこれはコンサートで銀テープが取れない悔しさから購入した同じようなフィルム素材を用いられたブレードだ。

軽さと厳つさのバランスがいいなと思ったので使ってみることにした。

そして、ここで終わりにするつもりだったのだが、ふと不安が頭をよぎった。

こんなに頑張って作ったのだから玉森くんにこのファンレターを一瞥はしてもらいたい。しかし、これではまだ本物の玉森担たちの勢いには立ち向かえないのではないか!?

何せ他のヲタク達はラインストーンでキラキラさせたり造花でモリモリにしたりするのでしょう!?と。

 

何かしらブレイクスルーが必要だ、ならばコンセプトに立ち返って戦略を練らなければ!と頭をひねった結果がこれだ。

 

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金の刺繍糸をブレードにくくり付け、ひたすらひたすらフリンジを作る作業。

何とか一晩かけて完成した。160本付けた記憶があるので、結構ハイスピードなのではないかな?と思っている。

完成品がこちら。

 

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これは最早ライオン!これ見た目だけなら王様級の高級感や!!!自分めっちゃ頑張ったなぁ!天下取れまっせ!!と朝方に自分をエセ関西弁で褒めたたえた瞬間だった。

 

裏側が真っ白なのでこちらに真面目なメッセージを書こうかな、と思い文言を考えてみたけどやはり思い付かなかったので照れ隠しでカレーライスの材料を箇条書きにしておいた。

 

で、実際現場に行くと事前にBから聞いた位置に列が出来ており、数人の女性が列を整えたり、説明をしていた。

因みにAは色画用紙にちょこちょことラインストーンや切り抜きを貼った軽快な印象の可愛らしいファンレターを作っていた。

やはり本物の玉森担、愛を感じる出来だった。

 

ふと、近くに居る女の子が手にしているファンレターが目に入った。

ピンク地にさくらんぼ柄の封筒に入ったハガキサイズのものだった。

それを見て私とAは(ヘイヘイヘイそんな地味な手紙じゃお玉は手紙の存在に気づいてくれないぜ?もっと冒険しようぜ!?)とでも言いたげなほど自信満々だった。

列をなし、落ち着いたタイミングで代表の女性達がファンレターを集めると声掛けを始めた。

並んでいる玉森担達が続々とファンレターをカバンから取り出した時にようやく察した。

(あれ、みんな普通の手紙じゃないか…というか、私達のファンレターがもしかして異常?!)

紙袋を持ってどんどん近づく代表の女性。

冷や汗をかく私達。ファンレターをグイーーっと半分に折るA。なるほど、サイズだけでも普通にする作戦か!どれ私も…厚紙つかってるから折っても開いちゃう!!なんならフリンジついてるから折っても定形外!!列は4列まで拡がっているので外側の人に手紙を託す。Aの手紙が紙袋に入った!やった!私のはどうだ!?

………頼むっ…届け……!!!!

 

「ちょっと!なにこれぇ!!こういうの困ります!手紙以外は受け取れないですこういうの持ってきたら次からは帰ってもらいます!これ戻して!」

代表の女性からの大声でのお叱りを受け、傑作のファンレターは私の手元に戻ってきた。

 

大人になると怒られる事も減るので公衆の面前で大声で怒られるというのはダメージがとにかく大きい。

この場から逃げ去ってしまいたい。そう何度も思ったが、出待ちの列は本人がやってくるまで決して抜ける事が出来ない。辛い。

朝はあんなに自信満々だったのに、テンションの落差に自分自身も付いて行けずに放心状態で玉森くんを待った。

出てきた玉森くん自体には目が充血しているな、くらいの感想しか持てなかった。感動するのにも心の余裕が必要なのだ。

 

次はマナーが分かっているから大丈夫かも知れないが、あの体験はもう二度としたくないし、誰かがしているところも見たくない。

数十分程度の待ち時間で玉森くんが出て来てくれた事とAの笑顔が私の大きな救いだった。

 

この一件で学んだのは「情報の更新の大切さ」と「プライドの置き場所」、「やっぱり楽しいものづくり」だ。

情報をしっかり集めてルールに則ったヲタ活をしたい(怒られるのは御免なので)。

ちょっとやそっとじゃめげないハートが欲しい。

渡せなかったけど、作っている時間はとてつもなく楽しかったし幸せだった。AもBも玉森くんもありがとう。

 

 

最後に一応書いておく。

出待ちについてはSNSやブログに書かないようにと現場では何度も何度も警告を受ける。

もしかしたらこの記事も「消してください!」とご指摘をいただくかもしれない。

しかしこの記事は出待ちについてではなく、ファンレターについて書いたものである点、アンオフィシャルなものならともかくあの出待ちがオフィシャル公認であると言うなら書いてもいいのでは?と思った点、私自身があの空気感を苦手としていて、もう出待ちをする気が無い点、来年は恐らく主演も変わるだろうという希望的観測など色々とそれなりに考えて投稿したものなので、ご理解いただけると助かります。

プラスのデザイン-ジャニーズのコンサート衣装に於ける個人的見解

以前にKIS-MY-WORLDツアーの宮田くん玉森くんの「BE LOVE」の演出について衣装を中心に色々と深読みした記事余白の芸術(現代アートではなくBLの話) - 作ったものを中心にを公開した。
決してポジティブな内容だけではなかったのだが、内々で評判が良かったので同じくKIS-MY-WORLDのについて今度はキスマイ全員にスポットを当てて書いてみようと思い立った。
しかし、思った以上の長編になってしまったので数回に分けて公開する事にした。
 
1回目はジャニーズのコンサート衣装のデザイン性について私の見解を書こうと思う。
ジャニーズの衣装、とりわけコンサート衣装は基本的にダサいと多くの人が思っていると思う。
とにかく装飾が過剰で何度もある衣装チェンジの為、着膨れでモコモコしておりアイドルのスタイルを悪く見せてしまう事も多々ある。
しかし、コンサート衣装にはそのグループの特徴、個人のキャラクター、スタイル補正、楽曲やコンサートのコンセプト、スムーズな段取りを助ける工夫など様々な要素がこれでもかも詰め込まれているものが多いと思う。
デザイナーが自分の作品を完璧だと思うのは
付け加えるものが何もなくなったときではない
取り去るものが何もなくなったときだ
これはフランスの作家サン・テグジュペリの名言だ。
この言葉に習って”デザインとは要素をマイナスして行く事だ”と定義するデザイナーも多くいる。
それは間違ってはいない。

事実、様々な要素を削ぎ落とし本質を浮かび上がらせるマイナスのデザインはシンプル故にインパクトが強い。スッキリとした印象がおしゃれに映る。*1

逆にジャニーズのコンサート衣装の様に要素を足して足して装飾しながら形を作って行くプラスのデザインはやり過ぎるとゴチャゴチャとしていて意図が伝わりづらい。このよく分からなさがダサさに繋がる。*2

 

プラスのデザイン全てが悪ではない。

入れ込みたい要素をとにかくどっかりと盛り込んだ事で混沌としたデザインにはあれやこれやと突っ込みどころが生まれる。

なんでそこにバンダナ巻いてる?なんでそんなに丈短いの?みたいな突っ込みどころが人の視線を奪うし、親しみさを感じさせる。

そもそもジャニーズアイドル達は人体のデザインが素晴らしい方が多いので、親しみやすさを出すには衣装がちょっとオカシイくらいが丁度いいのかもしれない。*3

とにかく様々な要素が入り組んで表面的にはもうよく分からなくなっている衣装の意図を色、シルエット、素材など細かなポイントから読み取っていく作業が私は好きだ。

これを私は衣装深読みと名付けている。*4

 

アイドルは基本作詞作曲をしない。

アーティストやバンドが好きだった頃は歌詞やBPM、音の組み立て方やアルバムの曲順を問題集に、雑誌のインタビュー等をヒントにしてアーティストの思考や意図を読み取ろうとして楽しむ事が多かったが、アイドルだとそれが難しい。

あんなに沢山の雑誌が出ているのに楽曲について喋ることが少な過ぎる。

ソロ曲なら多少話が聞けるかな、と思っても望んでいる深度まで話が至らない事が多い。アルバムの全曲解説も解説になってない事が多い。

実際に作っているわけではないからそうなってしまうのも仕方がないのかもしれない。

しかし、インタビュアー側にも問題があると思う。

一昨年、キスマイのシングル「SNOWDOMEの約束/Luv sick」舞祭組の「棚からぼたもち」リリースの際の、ナタリーでのインタビューが理想的なので見た事のある方も多いとは思うが、リンクをはっておく。

natalie.mu

少し話が逸れてしまったが、要はアイドル自身の創作からアイドル達の声を想像したいのに、それがなかなか難しいという事だ。*5

しかし、キスマイの場合は昨年のツアーよりコンサートをセルフプロデュースしている。

コンサートが彼らが主体になっている創作活動だというのならそれは深読みのチャンスだ。

何せコンサートは実際に生で体験出来るしパンフレットも売っている。

雑誌に沢山の写真が載り、しばらくすれば舞台裏までも映し出されたDVDが手に入る。

深読みのための資料が潤沢なのだ。

 

もしも貴方に身近なヲタク仲間が居るのなら、コンサートが終わって少し間を置いて、冷静になってから仲間達と集まってお茶かお酒でも飲みながら意見交換をしてみるのはどうだろうか。

後日DVDが発売されたらそのおさらいをしたりしても楽しいと思う。

 

次回からは私が実際にしている衣装深読みの内容に入ろうと思う。

長くなりますがお付き合いいただけたら嬉しいです。

*1:例に挙げるなら千利休、現代で言うならば無印良品

*2:例を挙げるなら秀吉の桃山文化、きゃりーぱみゅぱみゅ辺りだろうか。さらに噛み砕くならゆるキャラ。但し、チーバくんとかくまモンとかかシンプルでプロが作った奴はマイナス側 以下追記→日本美術的にはこのわびさびと真逆のセンスの事を「かざり」と言うらしい。

*3:昨今はマイナス側の衣装も多くなって来ているように思う。例えばHey! Say! JUMPのコンサート衣装は色やシルエットをあえて均一にしているものが多いように見受ける。9人がきっちり揃ったダンスを見せる為のシンプルな衣装が9人のボリューム感をスマートに見せてくれるし、素直にかっこいいし可愛いと思う。

*4:どんなに考えてもそれは私の想像でしかないのでそう名付けた。

*5:KinKi Kids辺りならそういう事も出来そうで、ファンの方が羨ましい。

藤ヶ谷太輔くんに歌ってもらいたい非ジャニーズ名曲

あまり心待ちにしてる方はいないだろうが、実は今回がこのシリーズ中一番書きたかった記事だ。 第三弾、藤ヶ谷くんに歌ってもらいたい非ジャニーズ名曲はTRICERATOPSの「2020」


TRICERATOPS - 2020 - YouTube

 

TRICERATOPSは3ピースバンドとは思えない程厚みのある骨太のロックを聴かせるテクニック、リフを多用したノリの良いサウンドやメロ、強烈に愛おしい男の子像を文体にした様な歌詞など魅力の多いバンドだと思う。

ギターボーカルで作詞作曲を担当している和田唱氏は私にとっては小学校時代からのアイドル的存在でもある。*1

和田唱氏は近年ジャニーズアイドル達への楽曲提供もするようになった。

SMAPなら「ココカラ」の作詞作曲。

キスマイなら「SNOWDOMEの約束」の作詞。

山Pなら「原始的じゃナイト」の作詞。

和田氏の歌詞の中に出てくる「僕」は時にカッコつけたり自意識過剰だったりワガママだったりするが、総じて皆素直で可愛らしくて彼女へのリスペクトを忘れない。

和田氏の歌詞の中には私の中にある「理想の彼氏像」がずっと存在しているのだ。

「2020」はその最たる楽曲だと思う。

 

2020年の夜明けに映る

僕らどんなんだろう

流行りの服で君に変わらず

歌って聞かせるような

そんな僕で居たいのさ

  

この曲がリリースされたのは2003年、貼っているPVには現在はもう無い同潤会アパートが写っている。

この曲の中の2020年とは当時28歳の和田氏にとっての17年後という事になる。

28歳の17年後は45歳。完全なおじさんの年齢をイメージしたのだろうか。

 

17年というリアルだけど遠すぎる未来に想いを馳せるラブソングであるこの曲はなんとも噛み締めたくなる静かなロマンチックさに溢れている。

 

2番の歌詞は過去から現在の僕は君が居たから在るのだと歌っている。

仕事や人生の話をしている様子で、それを勝手にキスマイに当てはめたりしても面白い。

 

藤ヶ谷くんにこの曲を歌ってもらいたい理由は二つある。

一つ目は藤ヶ谷くんには素敵な彼氏の唄を歌ってもらいたいな、という個人的な希望だ。

藤ヶ谷くんに対して私は「誰かの彼氏」というイメージを常に持っている。*2

その「誰か」の位置には絶対に自分がシュミレートされる事はない。

 「〇〇ちゃんの彼氏、この間紹介してもらったけどすごい気使える人でびっくりした!かっこいいよねー」

 という話を後日聞いて、ふーーんそうなんだね。と私は聞き流す。私の住む世界に彼を入れ込むとしたら、私と藤ヶ谷くんの関係はそんな感じじゃないかと思う。

 

二つ目は和田氏の歌詞と藤ヶ谷くんの声の親和性。

キスマイの「SNOWDOMEの約束」を聴いた感想の一つは和田氏の歌詞と藤ヶ谷くんの声のマッチングの良さであった。

和田氏の声はウェットで藤ヶ谷くんのとは似ていないのだが、藤ヶ谷くんの高いけどドライで男の子らしい声色は和田氏の歌詞の中にいるロマンチックで少し女々しい男の子像とピタっとハマる。

 

キラキラとLEDみたいに発光するアイドルのファンタジーな世界観もよいけど、偶には良く使い込んだ革のお財布みたいに光る「リアルな男の子に抱きたいファンタジー」を歌ってみて貰いたいな、と思った。

しかも藤ヶ谷くんは現在、2020を歌った当時の和田氏と同じ28歳!

ぜひ17年先を歌ってみて貰いたい。

17年先となると、2032年で語呂が悪いけど、そんなイメージで!歌ってみて貰いたい。

*1:非ジャニを含む担当をJCっぽくここに書いておく。神担:GRAPEVINE田中  担当:Kis-My-Ft2北山  副担:TRICERATOPS和田

*2:キスマイBUSAIKU!?のせいかもしれない

キタミツのお習字メモ

今年の滝沢歌舞伎は10周年のメモリアルイヤーだった。

北山くん、薮くん、snowmanが出演することもあってチケットの倍率が高すぎてチケット運の無い私は1公演として当たらず、全滅状態になっていた。

毎日毎日ネットの海を徘徊してはチケットを求めるゾンビになって、指の皮が和菓子職人の様にカチカチに固くなるのではないかという程にスマートフォンの画面をスクロールする手が止められない状態が続いていた。

 

しかしながらギリギリのところでなんとか良心的な方と出会い、チケットを手にする事が出来た。

お菓子とか何かしらの粗品で感謝の気持ちを表現したかったのに本気でお金が無さすぎたので、メモ帳を作ることにした。

名づけて「キタミツのお習字メモ」

 

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表紙は顔が1個どーーんとあるより小さな画像がびっちりしていた方が恥ずかしくないのではないか、という微妙な気遣い。

 

ラミネートもしてみた。

 

 

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中身はこんな感じ。

北山くんがバラエティで書いてきた毛筆を選定し、メモにしている。

「いいじゃん いいじゃん」「私は愛で出来ている」「1日目 アウェイでの勝負に勝つ」の3種類だっただろうか、もう1種類あった気がするけれど、思い出せない。

 

チケットを譲ってくださった北山担女性は北山担同士3人で観劇されるとの事だったので、3つ献上した。